エレファントニュース

いまごろ、どうしているんだろうね
（文/こんはじめ）


　先日、逮捕された元衆議院議員のハマコーこと浜田幸一容疑者（本記事の執筆時点では容疑者）。八十一歳にもなって、二億円の背任容疑でタイホとなったハマコーだが、数々のハマコー伝説には腹立たしさを通り越して思わず苦笑してしまうものもある。

　ラスベガスのカジノで１５０万ドル（当時のレートで４億６千万円）を散財してしまったとか、政界の暴れん坊だとか言われているが、破天荒に見えて、頭の回転はなかなかのモノだ。ま、政治家としてやってきたのだから、バカじゃないと思うけど。


　自らが主催した政治資金集めのパーティでは「ただの不良少年だった私を、ここまでしていただいてありがとうございます」と真剣に土下座をして会場から拍手を浴びたり、白熱してきた討論の場面でオヤジギャグを飛ばして場をシラケさせたり笑わせたり。

　約３３億の負債を抱えて自己破産したらしいが、「５０億の資産で払った」とか、その金銭感覚には呆れるばかりだ。

　そんなハマコーも目が点になったという故田中角栄元総理とのエピソードがある。当時、自民党の田中の子分だったハマコーが、年始の挨拶に行ったところ、「お年玉だ」と５００万円の札束を受け取った。もちろん札束はムキ出しの現ナマ状態。それに感激したハマコーは、敬礼をしようと手を上げたところ、「何だ？お前、足りないのか」と、さらに５００万円の札束をくれたそうだ。

　田中元総理は、もうお金を渡したのに、欲張りなハマコーがもう一方の手を出して催促した！と勘違いしたらしい。もちろん、内心ではビックリしたハマコーだが、欲張りなものだから、そのまま礼を言って金を受け取ったことは言うまでも無い。
　本人が言っていた話だから、間違いないだろう。「もう時効だからね～」と笑う目の奥は、なぜか笑ってないんだよな～。

それにしても、わずか数分の挨拶で１０００万円を手にしたとか、一般人とかけ離れた金銭感覚に、怒りを通り越して苦笑してしまうのは小生だけではないだろう。

　もうこういう政治家は出ないだろうな、とヤジ馬のひとりながら思ってしまう。もちろん犯罪は悪い事だけど、こういう危なっかしいオッサンがいなくなるのも、少しばかり淋しい気がする。
（すすきタルン）

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